自然総有論 -入山思想と近郊里山保全を中心とする-

松本文雄 著

入山権を、著者は「ハイキング・動植物観賞・観察、森林浴など、自然を享受するために里山に立ち入る権利」と規定する。環境保全を、入山思想というコモンズ研究を通して活路を見出そうとする本書は、著者の半世紀にわたるボランティア活動を通した実践書であり、ひとつの成功事例でもある。
「松枯れの原因は松食い虫でなく公害にある」として大きな議論を呼んだ著者の、環境問題に対する集大成とも言うべき一作。

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初版2008年11月10日 ISBN974-4-944098-94-1 C0039
B5判/386ページ ●定価 6,480円(税込)

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1研究態度
 1-1 地域生活者の視点に立った研究
 1-2 近郊里山における環境保全の意義
 1-3 近郊里山の環境保全研究手法
 1-4 研究課題の設定

2自然総有
 2-1 日本におけるコモンズ研究史
 2-2 自然総有

3入山権
 3-1 入山慣行
 3-2 入山権と類似の入浜権
 3-4 入山権の思想
 3-5 入山権思想の事例
 3-6 入山権思想の事例

4高砂市内の保全集落と開発集落との2集落の入山権に関する比較

5入山権主張行動の分析

6入山権思想と近郊里山の自然環境保全・再生
 6-1 足もとからの行動
 6-2 農からの行動
 6-3 入山権思想と近郊里山の保全・再生


現状の世界観を変える「自然総有論」
人間のエゴは地球を滅ぼそうとしています。快適な生活を営むための私たちの日々の努力は、地球に大きなダメージを与えてきました。私たちは望むと望まざるとにかかわらず自然を破壊しながら生活しているのです。
人類にとって明るい未来を切り開くと思われてきた高度な科学技術こそが、荘子が指摘する伐性の斧ではないでしょうか。
今こそ足るを知り、まやかしのエコブームでもなく、産業構造を大変革して地球を救うべき時です。
外的自然も内的自然も私たち人間みんなのもの。こうした視点から私たちの生活を見つめ直すのが「自然総有」です。著者の永年にわたるボランテ ア活動から生まれた本書が、あなたの、そして私たちの世界観を変えるきっかけになると確信します。(カバーより)


松本文雄 まつもとふみお
1939年生まれ。日本農業経済学会、地域農林経済学会、日本地域学会、日本環境学会、日本居住福祉学会会員。元高等学校教員。1973年から高砂緑地問題研究会世話人。著書に『松枯れ白書』(メタ・ブレーン刊)など。

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