日本基督教団

実録 教団紛争史

 小林貞夫 著

日本におけるキリスト教普及と、教会・信徒のあり方を真摯に追求する日本基督教団。宗教であっても社会情勢や政治的問題と決して無縁ではなく、ことに戦後にあっては政治的姿勢の対立は教団内にも歴然と存在した。その過去に目をつぶることなく、事の真相を史実に忠実にまとめたのが本書である。教会関係者のみならず、同じ轍を踏まないための次代に残すべき資料として、組織論的にも興味深い一冊。

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初版2011年12月 ISBN978-4-905239-07-9 C0016
B6判/110ページ●定価 1,620円(税込)

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はじめに

第1章 教団紛争の輪郭
 1.紛争の核心=暴力 2.紛争の当事者 3.教団と教区 4.教団紛争経過表

第2章 紛争の前史
 1.世界の流れ 2.日本の流れ 3.学生運動 4.鈴木正久議長 5.提起された問題

第3章 暴発=九・一、二事件
 1.九・一、二事件と暴力 2.「九・一、二の記録」  3.九・一、二事件からの100日

第4章 教団の質的崩壊
 1.九・一、二事件の歴史的位置 2.教団の会議制の崩壊  3.教団の信仰の崩壊
 4.教団の伝道の崩壊  5.万博反対の論旨

第5章 暴力の嵐・一九七〇
 1.世界同時革命の幻想 2.第十六回教団総会  3.以後の総会開催出来ず
 4.教団本部の移転

第6章 教団史の空白
 1.揺れる三役選出 2.各教区総会の混乱  3.第十七回教団総会

第7章 クーデターと教師検定
 1.教団のねじれ 2.教師検定でのクーデター  3.人事でのクーデター

第8章 狙われた東神大
 1.教師検定の基準 2.危機に立ち上る人びと  3.東京神学大学紛争

第9章 福音主義教会連合
 1.第十八回教団総会 2.軽薄な議案・議事  3.脱福音の定着 4.福音主義教会連合

第10章 反伝道路線の定着
 1.後宮俊夫議長五選 2.造反による空洞化一〇年  3.東京教区外し 4.扱った諸課題

第11章 反差別・部落解放
 1.反万博からの転身 2.部落解放をめぐる対立  3.教会と社会正義
 4.教団部落解放センター

第12章 沖縄関連議案
 1.沖縄本土復帰の前に 2.沖縄教区への無礼  3.「とらえ直しと実質化」の提起
 4.名称変更

第13章 東京教区の復帰
 1.辻宣道議長 2.聖書注解書の発刊  3.東京教区復帰の総会

第14章 地震・ナイフ事件
 1.初期対応の失敗 2.ナイフ事件  3.調査委員会

第15章 小島誠志議長
 1.第三十回教団総会 2.ねじれた委員会  3.竹前昇総幹事

第16章 山北宣久議長
 1.正常化への期待 2.二種教職制問題決着  3.山北議長総括 4.「荒野の四〇年」

第17章 教団紛争の終結
 1.山北議長総括の意義 2.教団紛争の終結  3.教団紛争の後遺症

おわりに

小林貞夫
<略歴>
1929年 山梨県に生れる
1931年 小野善太郎牧師より受洗
1942年 礼拝を守る(今日まで3200回)
1953年 日下部教会幹事(今日まで継続)
1979年 東海教区総会議員(今日まで継続)
1980年 教団総会議員(今日まで継続)
1987年 東海教区常置委員
1987年 福音主義教会連合常任委員(今日まで継続)
1988年 教団常議員(今日まで継続)
1994年 教団年金局理事長(2005年まで)
2007年 プロテスタント日本伝道150年記念事業準備委員長(2010年まで)

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