へなちょこ妊婦の楽ちんお産

喜多桐スズメ 著

1人目を病院で出産し「二度と産むもんか」と思っていたら、2人目を妊娠。でも、自称“へなちょこ妊婦”が体験した助産院での出産は、「あったかくて幸せ〜な楽ちんお産」だった――。 「目からウロコぽろぽろ。もうひとり産みたくなる」とまで言った著者の助産院出産体験記。病院と助産院の違いや、現在のお産の現場の実情まで、イラストレーターでもある著者の、楽しくてテンポのいい文章とイラストが満載。 自然出産をサポートしてくれる「アクティブバースのできる全国オススメ助産院一覧」の巻末付録つき!

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初版2001年10月10日 ISBN4-944098-33-2C0077
B6判/152ページ●定価 1,620円(税込)

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はじめに 目からウロコぽろぽろ。もう一人産みたくなる

なぜ助産院?
 サンバでご懐妊
 大人気ない理由
 私は「サンバ」に縁がある
 助産院に決めた! !

妊娠中
 【費用】
 病気じゃなくても、金欠病
 明朗会計、助産院
 【検診】
 いやなのよ、妊娠検診
 つらくない、内診
 エコー、とらないの?
 アヤシイ、コミュニケーション
 なまけものは言われないとやらないの
 どうして体重制限なしなの?
 健康であれば助産院

出産
 【病院編】
 地下鉄陣痛
 あしたのため、出すべし、剃るべし
 分娩台で5時間
 焼き肉の気持ち
 清掃工場の煙突に誓うのよ
 【助産院編】
 フェイント陣痛
 ベットに横にならない陣痛
 分娩台なんてないもんね
 アクティブバース
 アロマテラピーと麻酔
 ちびらない! !
 お産って気持ちいい〜
 会陰切開は人権侵害です

産後
 立ち上がれません、私だけ
 産後2時間で階段昇れちゃうもんね! !
 根性のおっぱい合宿
 楽ちん授乳生活
 退院
 出産費用
 納得できない

あとがき すべての妊婦に助産院をおすすめします

巻末付録 全国オススメ助産院リスト

目からウロコぽろぽろ、 もう一人産みたくなる
一人目の子どもを病院で出産して5年後、二人目を助産院で出産しました。助産院での出産体験は、目からウロコがぽろぽろ落ちる幸福に満ちた「いいお産」だったのです。 お産というのは苦しくてあたりまえ。私だけがつらかったわけじゃなく、子どもを産んだ女性はみんな、このつらくて苦しい経験をしたのよね。な〜んてあたり前のように思っていたら、なんのなんの、楽しくてしあわせで思い出しただけで、うふふと笑いをこらえきれなくなるようなお産があるなんて5年前には想像もつかなかったこと。 ほんと知らなくて残念。だからこそ、いいお産のことをたくさんの人に知ってほしいなぁと思いました。
この本を書くために準備を始めたときは、「病院もいいけど、健康だったら助産院がいいわよ」という内容で進めるつもりでした。 ところが、準備のために出産経験のある友人に話を聞いたり、資料になりそうな本を読んだりするうちに、「お産に医療介入はそうそう必要ない」という事実を知ることになるのでした。 お産は「自然」であるべきだと、強く思いました。その自然な出産をサポートしてくれる場所が助産院なのです。残念なことに、妊娠した女性のほとんどがお世話になる病院は、自然なお産をさせてくれる場所ではないのです。 自然というのは「あるべき姿」だと思うのです。せっかく人に生まれてきたんだから、つらい思いや苦しみや悲しみは、少なくあるべきです。お産は、楽ちんで幸福に満ちたものであるべきなのです。
いいお産を経験すると、子育てに対する気持ちまで変わってしまうことを、今回のお産で学ぶことができ、私はとてもラッキーでした。 ゆったりした気持ちで子育てできてるのは二人目だからでしょ。とも、思いました。ところが、助産院で検診や取材のたびに出会う、初産のお母さんたちの様子が病院で出産した人たちとずいぶん違うことに気がつきました。みんなとにかく楽しそうです。一人ぐらい育児疲れした人はいないかな? と探してみても、見当たらない。私なんて初めての子どものときは、ずーっと眉間にしわをよせていたのに。子どもを産むチャンスに恵まれたら、一人でも多くの人に知ってもらいた〜い。あたたかくて楽ちんでしあわせなお産が、助産院にあることを。 (P3〜5「はじめに」より抜粋)
イラストレーターである著者の、思わず笑ってしまうエピソードを盛り込んだかわいいイラストも満載です。

喜多桐スズメ きたきりすずめ
1965年、大阪出身。20歳でフリーのイラストレーター(プーともいう)に。その後、ファッション誌、女性誌、学習誌、ティーン雑誌など幅広いメディアで活躍、なかにはマンガの連載も。現在、ウェブ上で子育てコラムを連載中(http://www.potluc.net/)。
著書に「ほっとごはん」(イラスト共著・イザラ書房刊)など。

毎日新聞書評欄「読む」掲載(2001年12月12日)
皇太子妃雅子様のご出産で、にわかに注目を集めた最新のお産事情。本書は初産で「もう二度と産まない」と決意したイラストレーターの著者が、助産院で第二子を産んだ経験をつづっている。 硬くて冷たい分娩台に恐怖心すら抱くほど、病院での出産に懲りたという著者。「自然に」産める助産院を選ぶまでの経緯や、出産前後のエピソードは抱腹絶倒で、体験談だけに説得力もある。少子化は、もう二度と産みたくないと思わせるような出産の状況も一因では・・・という考察も面白い。巻末の「全国おススメ助産院リスト」も役に立ちそうだ。

男にも読ませたい、助産院での発見(女性セブン・2001年12月20日号掲載)
あたり前のことだけれど、男にとって「出産」はつねに大難関になる。気楽な気持ちで手にとってみて、感心した。著者は陣痛の痛みを男にもわかる言葉で書いている。こんなの初めて見た(非常識にすぎないのか? ちなみに非常識ついでに、なぜ「陣痛」というのか調べてみると、「陣」にひと波ひと波押し寄せて去る、という意味があるんですね)。
それだけじゃない。本書は軽い冗談口調のエッセイだと思っていたのに、それはメイクアップされた皮膜なのだ。実際は「病院で出産する」経験に打ちのめされている女性が、「助産院で出産する」という新しい選択肢を体験するなかで遭遇する数々の出来事を考えていくことによって発見した、「出産」という人生の重い儀礼の意味ということだ。
実に考えさせられた。 著者が何度も言うように、妊娠・出産は病気ではない。しかし医師とは病気を治す資格を国家から付与された人だ。その医師が中心になっている病院で出産をするということは、絶えず病気を監視しながら(その結果「検査」が多くなるわけです)見守り加療していく(妊娠は病気じゃないって)ことになる。それに対して助産院では、妊娠・出産は病気じゃないという立場に立って、出産をスムーズに経過できるように準備していく。だから1日5000歩も1万歩も歩く指導をしたり、妊婦をリラックスさせたり、食事指導をしたり・・・。なるほど、ということばかり。
この本は男に、父となる男にも、ぜひとも読ませてほしい。 (フリーライター・竹本遊馬)

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