デザインの逆説  DESIGN PARADOX

黒川雅之 著

すべてのクリエイターのための思想書。
齢80にしてますます研ぎ澄まされる黒川思想のすべてがここに。

『デザインは人間のためにある。その人間が一筋縄ではいかないのだ。デザインを逆説的に捉えようとするのはここから始まっているのである。自然に流されているだけなのを嫌う人間が、そこから自立して生命の感動を得ようともがいている。二律背反を脱出して、自己の生命を挑発する超絶的な美を求めている。普通の美を実現することで満足しない人間、超絶的な美を求めている人間のためにはこの「逆説」がキーになるのではないか、と考え始めたのである。 (本文より)』

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初版2017年8月 ISBN 978-4905239758
B6判/332ページ ●定価 1,944円(税込)

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0.デザインの逆説   

1 逆説の思想で見えてくる真実
 1.価値は裏側にある/2.差異こそ歓び/3.不一致の悦楽/4.組織は不安定がいい/
 5.心も不安で揺れている/6.曖昧を楽しむ/7.思想は揺れるのがいい/8.全ては流れて止まらない

2 二律背反を克服する
 1.デザインは誘惑である/2.デザインは挑発である/3.記憶と願望の二律背反/
 4.伝統を背中で感じる/5.好きだと決める/6.お金と女に追いかけさせる/
 7.プロフェッショナルになるな/8.表現を抑制する

3 形のデザインではなくて原型を探せ
 1.オリジナリティはあるか/2.丹下健三のオリジナリティ/3.模倣の勧め/4.椅子は建築である/
 5.形のデザインをするな/6.原型と原風景を探せ/7.イッセイミヤケの三つの原型/
 8.作品が理論を誘導する

4 世界は微細の群れである
 1.非連続の連続性/2.物が空間をつくる/3.グローバルに世界を見るな/
 4.身体感覚で都市をつくる/5.未来は見えない/6.ディテールに全体がある/
 7.行住坐臥という人生/8.褻と晴が接近する

5 原風景を探す
 1.ほっとするところ/2.世界はすべて心象風景だ/3.物学という世界観/
 4.自分のためにデザインする/5.野生の感覚で探す/6.半世紀前の原点に回帰する/
 7.計画より願望がいい

6 畏怖の念から生まれる美意識
 1.美は哀しさにある/2.自然に翻弄される/3.生と性の自己矛盾/4.混沌への出入り口/
 5.混沌から紡ぎ出すアイディア/6.混沌の悦楽/7.偶然を誘導する/8.余白と間という神秘的空間/
 9.野生感覚を蘇らせよう

7 創造的に生きる
 1.オールラウンダーになれ/2.脳内空間での脳内生活/3.ネットワークが僕を生かしている/
 4.フローを増やしてストックをなくせ/5.仕事を遊ぶ/6.デザイナーがメディアになる/
 7.職人になる/8.生きることとは働くこと/9.デザインは告白である/10.デザインは芸術だ

8 美を発見するために生きている
 1.デザイナーは美の専門家/2.グッドデザインとは美しいデザイン/3.中国で動き出した新しい波/
 4.新しいデザインは古くなる/5.デザイナーは探検家だ/6.終わりと始まりに気をつけろ/
 7.見えない力を読み取る/8.間違いを犯せ/9.自分のためのデザイン/10.ピカソになる/
 11.売れなくてもいいデザインだ/12.つくりたいものをつくる/13.感じる、考える、創る

9 浮遊する思想の群

あとがき
固有名詞一覧

 

黒川雅之 くろかわまさゆき
建築家・プロダクトデザイナー。1937 年、名古屋市生まれ。
天津大学客員教授( 中国・天津)、復旦大学客員教授( 中国・上海)、深?大学客員教授(中国・広東)、屏山書院名誉院長( 韓国・慶州)、金沢美術工芸大学芸術博士。日本インダストリアルデザイナー協会、日本デザインコミッティー会員、日本建築家協会会員、日本文化デザインフォーラム副理事長・代表幹事などを務める。毎日デザイン賞、グッドデザイン金賞、ドイツIF賞など受賞暦多数。著書に『デザイン曼荼羅』『デザインの修辞法』『八つの日本の美意識』『デザインと死』など。

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